神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私はその時、彼の腕の中でぬくもりと匂いに包まれていた。

「……最後なんて、やだ……」

胸がきゅっと痛む。

でも、もし明日、何かが起これば――私は、もうこの人と触れ合うことすらできない。

だから。

私はそっと上体を起こし、ゆっくりと衣服をするりと脱いだ。

冷たい空気が肌に触れ、少しだけ身震いする。

「……エミリア?」

レオが私を見つめ、身体を起こそうとした。

「私も……何かあったら、もう、レオナルトと愛し合うことはできないのね。」

そう言って、私は自分から彼の唇を奪った。

重ねた唇の熱に、私の中の何かが震えた。

不安、焦り、そして、愛。

「エミリア……今日は……」

レオの瞳が揺れている。

私は首を横に振った。

「……欲しいの……レオナルトを。全部……あなたの愛を。」

レオの手が、私の頬をそっとなぞる。
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