神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私はその言葉に、胸が熱くなり、自然と動きが深くなる。

波のように押し寄せる快感が、私を呑み込んでいく。

「ん……レオ……好き……あなたが、好き……っ」

「俺も……愛してる。命をかけてでも、君を守る。」

ふたりの吐息が重なり、心がひとつになる。

この瞬間、聖女としての私ではなく、一人の女として――レオナルトの愛に包まれていた。

それは、明日を知らぬふたりの、愛の証。

この夜が、ふたりの力となり、絆となって、やがて魔女を討ち滅ぼす光になることを……私は信じていた。


木々は空を覆い隠し、昼なのにまるで黄昏のようだった。

重たい空気が肌にまとわりつく。

どこかで、草を踏む音がした気がした。

「……ここが、嘆きの森か。」

レオが呟いた。声が妙に遠く、響く。

「何も聞こえない……鳥の声も、風の音も。」

私は不安を打ち消すように、彼の背中にそっと手を置く。

「大丈夫。私は、ここにいる。」

レオは振り返り、微笑んだ。

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