神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
歩みを進めるごとに、空気はさらに重くなる。

空間が歪んでいるかのように、木の間隔が広がったり狭まったりした。

「ヒヒ……ヒヒヒ……」

笑い声が聞こえた。子どもとも、女ともつかぬ声。

「聞こえたか……?」

「うん。でも……誰の声?」

「違う……俺には、声じゃないんだ。」

レオは眉をひそめ、こめかみに手を当てた。

「耳じゃない……脳に直接、響いてくる……名前を……呼ばれてる……俺の名を。」

「レオ、それは魔力の囁きよ。騙されないで。」

私は急いで彼の腕を握る。だが、レオの手は冷たく、指先が少し震えていた。

「エミリア……おかしいな。おまえの顔が……霞んで見える。」

「え?」

「まるで夢みたいに、遠い。」

私はぐっとレオの手を強く握りしめた。

「レオ、お願い。しっかりして。今、夢を見てるのはあなただけ。私はここにいる。」

すると、背後から騎士の声が響いた。
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