神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私は安堵のため息を漏らした。けれど、すぐに緊張が走る。

「うわあああああっ!!」

その叫び声と共に、騎士団長が馬から投げ出された。

地面に転がる彼の体は痙攣し、瞳は虚ろに見開かれていた。

「団長!」

レオがすぐさま馬から飛び降り、団長の元へ駆け寄る。

「しっかりしろ!」

その肩を揺さぶった時、団長は震える声で叫んだ。

「俺に……構わないでください!皇太子殿下……!」

レオは動きを止める。

「殿下! 早く……離れて!」

騎士団長の目が青黒く染まり、その体から異様な瘴気が立ちのぼる。

レオが一歩下がったその瞬間、団長は獣のように唸り声を上げ、腰の剣を引き抜いた。

「ひゃはははっ! 覚悟しろ、レオナルト!」

その声――間違いない。クラリーチェのものだった。

「……クラリーチェ!」

レオが叫ぶや否や、団長の身体がまるで人形のように跳躍し、聖剣に斬りかかる。
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