神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私は思わず、息を止めた。

その瞳が、まっすぐ私を射抜いたから。

「……君が、聖女か」

彼は、初めて言葉を発した。

その声は低く、静かで――けれど、どこか確信を帯びていた。

まるで、“ようやく見つけた”とでも言いたげに。

「信託により、君の守護役を承った。」

皇太子殿下――レオナルト様は、静かにそう告げた。

その声音は落ち着いていて、どこか神聖な儀式の一環のようで。

私は慌てて、深く頭を下げた。

「……はい。よろしくお願い致します。」

顔を上げると、レオナルト様の金色の瞳がふわりと細められていた。

――え? この人、笑えるんだ……?

ほんの少しだけ唇の端が上がったその表情に、思わず見とれてしまう。

「って言われてもさ。実際、何するんだろうね。」

突然、口調がくだけた。

最初の威厳ある印象とのギャップに、私は返事に困ってしまう。
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