神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「私の名は、サエーナ。
この国の聖女として、クラディアと共に未来を築こうとした者――
そして、最大の罪を背負った者。」

クラディアの魂がギギ、と唸る。

『偽善者が!今さら姿を現して何になる!?おまえが裏切った!!』

サエーナは静かに、けれど確かな声で言った。

「……あなたは、レグナスに惚れ薬を使いましたね?」

その言葉に、城の空気が一瞬にして凍りついた。

『……ううっ……』

クラディアは唇を震わせた。

目の奥に、長年の怨嗟と苦悩が渦巻いている。

「でも……彼は気づいていました。それが惚れ薬、つまり麻薬であることに。」

『そ、そんな……嘘よ……』

クラディアの肩が小刻みに震える。

「彼は、あなたの手から薬を受け取り、あえて飲んだ振りをしたのです。惚れ薬なんて必要ない。クラディア、あなたを――心から愛していたから。」

その瞬間、クラディアの魔の気配がふっと揺らいだ。
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