神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
その頬を、ぽろりと涙がつたった。

「……まだ、君は引き返せる。」

レオはそっと手を伸ばす。

その手に、指先が触れかけた――まさにその時だった。

「う、ううっ……ああああっ……!」

クラリーチェの胸元から、蒼白い光が突如としてほとばしる!

『クラリーチェ・ルーヴェン――!我が血との契約は、どうした!!』

天井を震わせるような、重く冷たい声。

それはまるで、古の墓所から呼び覚まされた呪いの亡霊の叫びだった。

クラリーチェの身体は宙に浮かび、苦しげに両手で頭を抱える。

「や、やめてっ……お願い……私はもう……!」

青白い炎が彼女の身体を縛り上げる。

『契約は果たされねばならぬ!
愛を知った者に、我が力を預けることは許されぬ!
代償を払え――魂を差し出せ!』

「クラリーチェ!」

レオが駆け寄ろうとするが、結界のような力に阻まれる。

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