神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「……建国の王、レグナス⁉」

同時に、反対側からは柔らかく、それでいて凛とした声がした。

『ここで終わらせましょう。』

「サエーナ……!」

レグナスの力強い手、サエーナの祈りのこもった掌――

過去と現在、全ての希望と罪が、いま私たちの手の中に集まる。

「いくぞ!」

私はうなずき、そして四人の声が重なる。

「マル=ナル・サエルヴァ! 闇へと散れ!!」

聖剣が今までにない金色の光を放ち、空そのものが揺れるような音が轟いた。

『やめろおおおおおおお!!!!!』

マル=ナルの魂が裂け、断末魔の悲鳴を残して、無数の黒い粒となって空へと消えていく。

――こうして、長き因縁の魔女の呪いは完全に祓われた。

力が抜けたように、私たちは膝をつく。だがそのとき――

「クラリーチェ……!」

レオが駆け寄り、膝に抱き上げたその身体は、安らかな表情を浮かべていた。

「……おかえり、クラリーチェ。」

彼女の瞳が、ゆっくりと、微かに開いた――。
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