神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「では、新婦。」

私はレオの手を握り返し、しっかりと顔を上げる。

彼の瞳が、優しく私を包んでいた。

「私、エミリア・セラフィーナは、皇太子、レオナルト・ヴァレンティスを夫とし、敬い、支え、一生愛しぬくことを誓います。」

驚くほど、素直に言葉が出た。

迷いも恐れもなく、ただ彼への想いがすべてを導いてくれた。

神職の声が響く。

「この誓いを神々が見届けました。この婚姻を、神聖なるものと認めます。」

拍手が神殿の中に満ちる。

レオは微笑みながら、私の額にそっと口づけた。

「ありがとう。……君を、必ず幸せにする。」

私は頷いた。

「もう、充分幸せよ。」

それでも、きっと――

これからもっと、幸せになれる気がしていた。
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