神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「ちょ、ちょっと待って。冗談だってば!」

ユリオは手をひらひらと振って笑ったが、レオの目は笑っていなかった。

「……聖剣は置いてきたから、感謝しろ。」

「ほんと、嫉妬深いなあ、レオは。」

「当たり前だ。エミリアは、俺の妻だ。」

レオは私を引き寄せ、そのまま頬にキスを落とした。

「――誰にも、渡さない。」

その言葉に、ユリオは肩をすくめた。

「もう、レオってば。冗談だよ。」

私は呆れたように笑ったけれど、レオは納得しない様子で私を見つめてくる。

「……ところで、本当のところはどうなんだ?」

「えっ?」

「もし、あの夜――ユリオに誘われていたら?俺を忘れるために、誰かと恋しようとしてたんだろ?」

顔が近い。息がかかるほどの距離で、レオは真剣に私の目をのぞき込んできた。

そのまっすぐな瞳に、私は嘘をつけなくて。

「……あの夜の相手が誰であろうと、あなたに恋していたのは、間違いありません。」
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