神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
“貴族のご令嬢”なんて言葉では収まらない。

彼女は、まさに“王宮の華”と呼ぶにふさわしい気配をまとっていた。

私は慌てて立ち上がり、軽く礼をする。

「はい。……エミリア・セラフィーナと申します。」

彼女は微笑んだ。

けれど、その笑みは“笑っていない”瞳をしていた。

「ご挨拶が遅れてごめんなさいね。私はクラリーチェ・フォン・エインベルク。皇太子殿下の婚約者よ。」

わざと“婚約者”のところだけ、ほんの少し声を強めて。

「あ、婚約者ということは……皇太子殿下のお妃になる方、ということですよね?」

私がそう言うと、彼女はふわりと微笑んだ。

「ええ、そうよ。」

自信に満ちた、ゆるぎない笑みだった。

その表情は、まるで“当然でしょう?”とでも言いたげで。

「そのティアラ、素敵ね。」

一見、褒め言葉のように聞こえるけれど、どこか引っかかる。

「ああ、これですか?」
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