神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
思わずティアラに手を添えながら、私はそう返した。

すると――クラリーチェは、クスクスと喉の奥で笑った。

「まるで、似合わない。」

その瞬間、私の中で何かがピキリと音を立てた気がした。

笑っているのに、笑っていない。

優しく言葉をかけているのに、明らかに侮蔑している。

あの笑いには――何か、もっと根の深いものが隠れている。

「ですよ……ね……」

そう口に出した瞬間、胸がぎゅっと締め付けられた。

分かってる。分かってるわよ。

どうせ私は、昨日田舎から出てきたばかりの村娘。

洗練されたご令嬢たちとは、何もかも違う。

言い返したい。でも、言えない。

こんな場所で、そんなことを口にする資格なんて――

「でもね。」

クラリーチェがふわりと微笑んだ。

「この国でティアラを許されているのは、王妃と皇太子妃……そして“聖女様”だけよ。」

「……そう、なんですか?」
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