神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
まるで、光が水面の底で揺れているような、不自然な青。

するとアニーが、突然ハッとしたように目を見開いた。

「えっ……申し訳ございません、私……!」

手にしていた銀のトレイが小さく揺れ、カップの中で紅茶が波打つ。

「いいのよ、アニー。なんでもないから。」

私はすぐに言った。

本当は少しだけ、火傷しそうだったけれど――それよりも、彼女の様子のほうが気がかりだった。

アニーは慌ててしゃがみ込み、こぼれた紅茶を必死に布で拭き取る。

けれどその手は、震えていた。

そして、何よりも――

まるで“こぼした瞬間”を覚えていないかのように、困惑していた。

私の中に、ある記憶が蘇った。

-青い光は、魔力の印。気を付けなさい。魔女の瞳を見つめてはいけない-

幼いころ、祖母が私に何度も言い聞かせていた言葉。

「魔女は、静かに忍び寄るのよ。笑顔のまま、あなたの心を壊してくるの」って。
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