神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
手のひらの奥に、光のようなものが集まり、あたたかく脈打つ。

その熱が、私の指先から穢れた土へと伝わっていく。

すると――

黒ずんだ土が、みるみるうちに本来の色を取り戻していった。

茶色く枯れていた土が、ふわりと風を受けて動き、柔らかい香りを放つ。

私は、そっと花の茎に指を添えた。

「――咲いて。」

その一言とともに、萎れた花が、ふわりと蕾を開いた。

色を取り戻し、瑞々しく、まるで生まれ変わったように。

風が吹いた。

その花が、風に揺れてこちらにお辞儀するように、静かに揺れた。

私は、そっと微笑んだ。

神が与えてくれたこの力は、きっと――

誰かを傷つけるものじゃない。

誰かを救うためのもの。

そして、“闇”に対抗する、ただ一つの光なのだ。

「大したものだな」

その声に振り返ると、レオナルト殿下が、庭のアーチの下に立っていた。

陽の光を背に、柔らかな金色の髪がきらきらと揺れている。
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