神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「……クラリーチェ・フォン・エインベルク。王国西部の名門、公爵家の長女だよ。聡明で、礼儀も完璧な……“王妃”にふさわしい人物とされている。」

“とされている”。

その言い回しが、どこか他人事のように聞こえた。

「あの……失礼ながら、エインベルク家というのは、実在する公爵家なのでしょうか。」

思い切って口にしたその問いに、レオナルト様は少しきょとんとした顔をした。

「……ああ、もちろん。調べはついている。王家の記録にもあるし、正式な血筋だ。クラリーチェ・フォン・エインベルクは、西部の地に領地を持つ名門貴族の娘だよ。」

「……そうですか。」

ならば、血筋にも、称号にも偽りはない。

でも――それでも、どうして?

では、なぜ……クラリーチェ様が、魔力を?

分からない。
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