神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「キャッ……!」

思わず目を閉じたその瞬間――

ズバッ!

何かが引き裂かれる、生々しい音が響いた。

恐る恐る目を開けると、目の前で黒い魔物の身体が宙を舞い、粉々に砕けていく。

その中心に立つのは――レオ様だった。

金色の瞳が、まっすぐ魔物を睨みつけている。

その姿は、まるで神話の中の英雄のようだった。

「レオ様っ!」

私は思わず声を上げた。

「下がっていろ、エミリア。」

短く言うと、レオ様は再び剣を構え、次々と魔物へ斬りかかる。

魔物たちはまるで怯えたように後退し始めた。

……強い。なんて、強い人なの。

やがて、最後の魔物が倒れた。

レオ様は静かに剣を収めると、私の方へと戻って来た。

「大丈夫か? エミリア」

「はい……はいっ!」

胸が高鳴って止まらない。

「俺がついてきてよかった。」

そう言って、微笑む彼の額に、汗がにじんでいた。
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