神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
目を覚ますと、外が朱に染まっていた。

夕暮れ。いつの間に、こんな時間に――。

「目が覚めたか。」

すぐ傍で、優しい声がした。

視線を向けると、レオ様の顔が近い。

あまりにも近すぎて、思わず体が跳ねる。

「は、はいっ!」

がばっと身体を起こして、咄嗟に彼から距離を取る。

頬が、熱い。自分でも分かるほど真っ赤だった。

「浄化……そうだ、浄化!」

慌てて立ち上がり、残っていたわずかな穢土の方へと駆け寄る。

掌をかざし、祈るようにそっと触れると、じわりと光が広がった。

腐敗していた土は、静かに、命を宿す色へと戻っていく。

「終わったか?」

背後から聞こえる、穏やかな声。

「……はい。」

振り返れなかった。

さっきまで抱きしめられていた腕の温もりが、まだ残っている気がして。

レオ様の匂い――あの、どこか甘くて落ち着く香りが胸の奥を締めつけた。
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