神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「私のせいではありません。これは――魔力の仕業です!」

「えっ……⁉」

皆が驚いたように顔を見合わせたが、疑念の色は完全には消えない。

それでも私は前に出て、泉の縁に膝をついた。

両手を泉の水面に近づけ、心を集中させる。

「お願い……この泉を、清めさせて……」

胸の奥が熱を帯びる。だが、魔力は想像以上に手ごわかった。

触れるだけで指先が痺れるようだ。

まるで抵抗しているように、青い光が激しくうねる。

――くっ……!

その時だった。

「浄化しているのか。」

低く、落ち着いた声が耳に届く。振り返ると、レオ様がそこにいた。いつの間に……?

「はい……でも……強いんです、ここの魔力は。」

私の額から汗が流れる。集中を乱したくない。でも、身体が言うことをきかなくなり始めていた。

すると。

レオ様の手が、そっと私の手に重なった。
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