神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
その一言で、私はすべてを解き放った。

――ごぉぉぉ……

一瞬、泉が光に包まれ、そして静寂が戻った。

青い光は跡形もなく消え、水面は静かに揺れていた。

「……終わった……?」

「浄化、成功だな。」

レオ様が微笑む。

私はそのまま、力が抜けてその場に崩れ落ちた。

だが、倒れるより早く、レオ様がその身体を支えてくれる。

「お疲れさま、エミリア。よく頑張った。」

その言葉に、私は――初めて涙をこぼした。

「レオ様。」

私が声をかけると、レオはすぐに振り返ってくれた。その瞳が、優しく細められる。

金色の瞳が、淡い光に揺れている。

「エミリア、休もう。」

その一言に、私は無意識に身を預けた。

レオは、何のためらいもなく私の身体を抱き上げてくれる。力強く、それでいて、とても丁寧に。

「……ありがとうございます。」

「礼なんていらないさ。君が無理をするからだ。」
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