神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
(どうすれば、この国を守れるの?このままじゃ、私……レオ様も……)

泉の青い結界は、今も淡く、しかし確かに、宮廷の未来を侵していた。

エミリアは、宮殿の図書館の奥にある聖女の歴史書の棚にいた。

ページをめくる指が止まらない。夢中で読み漁った。

「……神の声を聞き、光を呼び、穢れを祓う」

「どの時代も……聖女の記録ばかり。魔女についての記述は……一行もない。」

不思議だった。

魔女は忌まわしい存在であるはず。

聖女と対をなす存在として、記されていてもいいのに。

「もしかして……この国は、魔女に襲われたことがないの?」

本を閉じ、深く息を吐く。

だとしたら――今この国が直面しているのは、建国以来の国防の危機。

「このままでは、王国が……」

立ち上がったエミリアは、今度は魔術・呪術の書棚へと向かう。

が、そこにも魔女に関する記述はなかった。
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