神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
ユリオが手を差し出したその瞬間、彼の手を奪うように現れた令嬢の姿に、私は目を見張った。

「私と踊りましょう、ユリオ様。」

「えっ、あっ……エミリア。」

戸惑いながらも、令嬢に手を引かれてフロアの中央へと連れていかれるユリオ。

その後ろ姿を見送りながら、私は苦笑いを浮かべた。

「あーあ。練習もここまで、か。」

せっかくダンスの形になってきたのに。寂しさを隠すように壁際へ戻ろうとした、その時だった。

「お困りのようですね。」

ふいに、すっと視界の端から現れた影。

金色の仮面をつけた一人の紳士が、私の前に現れた。

「……?」

「今宵、星空の令嬢を一人にはしませんよ。私と一曲、踊っていただけますか?」

その声に、胸が小さく揺れた。どこかで聞いたような、深くて優しい声。

でも、仮面のせいで誰なのか分からない。

「わたし……少ししか踊れません。」

「それでも構いませんよ。大切なのは、気持ちですから。」
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