神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「……あの……あなた、王族の方、ですか?」

仮面越しに見えた、透き通るような金色の瞳。

それは――私が知っている誰かと同じ色。

「……分かりますか?」

仮面の紳士は、少しだけ笑った。その笑みに、心がざわめいた。

「ええ。金色の瞳をしているから。」

そう答えた瞬間、自分の胸がきゅっと締めつけられるのを感じた。

「私の……知っている人も、同じ瞳をしていて。」

レオナルト様――

思い出すだけで、心が揺れる。

忘れたいと思ったのに、舞踏会の夜くらい、他の誰かと恋をしてみたいと願ったのに。

「その方は、どんな人ですか?」

紳士は、ゆっくりと私を回転させながら、静かに問う。

「とても……優しい人です。でも、届かない場所にいる人。」

小さく答えると、彼の手がほんの少しだけ、私を強く抱き寄せた。

「届かないと、どうして思うんです?」
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