神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
えっ?

私の名前……今、確かに。

驚いて目を見開いた瞬間、唇が塞がれた。

彼の熱が、熱い熱が、私の奥に届く。

名前を呼ばれた意味を確かめる間もなく、私はまた、彼の熱と甘さに身を委ねていた。

心も体も、全部……この人に、奪われていく。

朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいた。

まどろみの中、私はそっと目を開けた。

隣を見ると、彼はまだ眠っている。仮面をつけたままで。

「……あの……」

小さな声で呼んでみたけれど、返事はない。

眠りにくそうに眉を寄せるその顔に、私はそっと手を伸ばした。

そして、ほんの少しだけ――仮面をずらそうとした。

カチッ

「あっ……!」

仮面が、するりと外れて落ちた。

現れたのは――見慣れた、美しい顔。

金色の髪、整った輪郭、そして……閉じたままの長い睫毛。

「うそ……」

私は、震える唇で名を呼んだ。
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