神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私は震える手で本を開く。

重く厚い羊皮紙。

文字は、見たこともない古代語で綴られていたが、聖女としての加護が、それを理解させてくれた。

「これを見て!」

私は、壁の一角に刻まれた古い文字を指差した。

石に彫られたその名は、マル=ナグ・サエルヴァ。
――大いなる魔女の神。

その名の下には、水の流れを支配したという伝承が記されている。

「マル=ナグ……サエルヴァ……」

私は呟いた。

そしてその下に枝分かれするように、ひとつの名前が記されていた。

「クラウディア・サエルヴァ……!」

レオが叫ぶ。

「伝説の魔女……本当に存在したのか!」

私は震える指でその名をなぞった。

クラウディア――古の魔術書にわずかに残されていた記述。

人間に溶け込み、国家に入り込み、王家を堕とすことを目的としていた魔女。

「見て、この系譜……」

クラウディアから続く名前を、私たちは目で追った。

エレオノーラ、サビーネ、ファリーナ……そして、
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