神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「クラリーチェ・ルーヴェン……!」

その刻まれた名を見た瞬間、息を呑んだ。

彫られた文字は新しい。

ごく最近、誰かの手によって刻まれたように見える。

「クラリーチェは……魔女の末裔だったのね。」

「いや、もはや末裔じゃない。」

レオの声が低く、怒りを帯びる。

「彼女は“魔女としての血と力”を受け継ぎ、王族を堕とすために近づいたんだ。」

私は目を閉じた。

あの冷たい微笑み。泉を枯らした青い魔力。

――すべてが繋がった。

「だから、泉を封じることができたのね……あれは、マル=ナグの力。」

「クラリーチェは王家の血と、魔女の力を混ぜ合わせて、完全な魔族になろうとしてるんだ。」

「そんなこと……させない。」

私の中で、聖女としての誓いがはっきりと形を持った。

「でも、どうすればクラリーチェを止めることができるんだ!」

レオが拳を握りしめる。私は、懐にしまっていた古文書を取り出した。

「……これ。おばあさまの家にあったものなの。」
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