神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
甘く囁かれたその言葉に、涙があふれた。

嬉しくて、愛しくて、胸がいっぱいで。

私は両腕を彼に回して、そっと抱きしめ返した。

「……私も。レオ、あなたが好き。」

そしてレオは、私をそっと座らせた。

「床、冷たいな。」

そう言って、自分の上着を脱ぎ、その上に私をやさしく寝かせた。

温かい布に背中が包まれたとたん、ふわっと、彼の匂いが立ちのぼる。

「この匂い……レオの匂い。」

思わず呟くと、レオは唇を緩めた。

「好きだろ。」

私は、うん、と頷いた。

その一言で、彼はまるで安心したように、そっと私の頬を撫でた。

レオの手が、私の髪をほどき、首筋にかかる部分をそっと撫でる。

それから、まるで儀式のように――神聖な儀式のように、私の肌に、彼自身の体温を重ねてきた。

熱が伝わる。

肌が触れ合い、鼓動が重なり、吐息が混ざる。

「レオナルト……」

やっと呼べた。彼の名前を。

心の奥底からあふれ出た、その名を。
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