神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私は洋服で胸を隠した。

「……レオ、責任とってよね。」

「もちろん。子供ができたら、結婚式前倒しだ。」

「そういうことじゃなくて……!」

「でも、エミリアの全部が、俺のものってことに変わりはないだろ?」

レオの声は甘く、低く、そして愛情に満ちていた。

「テーブルの下に……何か彫ってある。」

レオがしゃがみ込み、埃を払いながら指先でなぞった。

「えっ?どれ?」

私もその隣に膝をつき、顔を寄せた。古びた木の下部に、かすれたような文字が彫られている。

Saena et Regnus — Amor hic in aeternum durabit.

「ラテン語……?」

私は小さく呟いた。すると胸の奥に、何かがふわりと降りてくるような感覚がした。聖女の血が、言葉の意味を教えてくれる。

「……『サエーナとレグナス ― この愛は永遠に続くだろう』だって。」

その瞬間、レオが顔を上げた。
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