影の妻、愛に咲く~明治の花嫁は、姉の代わりだったはずなのに~
しばらくして、月のモノが遅れていることに気づいた。

「もしかして……子供……」

誠一郎さんとの間に芽生えた、新しい命の予感に胸が高鳴る。

「誠一郎さん……」

私はそっと彼に打ち明けた。

「ああ……!」

誠一郎さんは私をぎゅっと抱きしめてくれた。

「俺たちに……子供が……?」

「はい。」

彼の肩が小さく震えている。涙ぐんでいるのがわかった。

「ありがとう……梨沙。本当に、ありがとう。」

私も、堪えきれずに涙をこぼした。

「俺、父親になるのか……」

その言葉に、私の心は満たされた。

この人と出会い、愛し、命を育む。

――私は、この人のために、生きてきたんだ。

私たちの出会いは偽りだった。

けれど今は、心から思う――これは本物の愛だと。

誓える、私たちは本当に愛し合っていると。


ー End -
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