彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 彼はそういうと、書斎に入り何かを持ってきた。

「開けてみて」

 封筒を開けると、中から婚姻届が出てきた。

「これ、以前書いたものよね……」

 お母さん達に許しをもらうため、先に私達のサインをしたものだ。

 下を見ると、あのとき空欄だった証人欄に記名されている。

 いつのまにか彼のお父様の名前が書かれている。

 その隣には、お母さんの名前が書かれていた。
 
「え?これ……玲さん、まさか……」

「琴乃に内緒でお母さんに結婚の許しをもらってある。君の誕生日プレゼントにしたいと頼んだら笑って書いてくれたよ。父にはだいぶ前にもらっていた」

「えええ?!」

「琴乃、実はね、早ければ二年以内にまた外国へ出る。日本で出産したいなら今日から協力するけどどうする?」

「!」

「君の担当していた受験生もあと数ヶ月で春が来る。僕らも新しい春を呼ぼう」

「もう……どうしてそんなに全部急なんですか?」

「急じゃない。付き合った時から琴乃を縛りたかった。やっとだ……長かった」

 彼は私をぎゅっと抱きしめた。



fin.

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