もう女じゃないなんて、言わせない
動き出すたび、体と体がぶつかり、心の奥まで擦り合わされるような感覚に、何度も声が漏れた。

「全部……優香に残すから……俺の……」

「うん……全部受け止めるから……」

腰を引いて、打ちつけるように深く沈んでくるたび、体の芯から満たされていく。

心の隙間が埋まっていくようなこの感覚は、一年、いや――もっと前から、ずっと、欲しかったもの。

「優香……俺と、これからも……」

「……一緒にいて……悠真……」

熱と愛情とが混ざり合い、ふたりの体の境界線はもう、どこにもなかった。

やがて、ひときわ深く、熱く、悠真のすべてが私の中に注がれる――

「あああ……」

反り返る私の体を、悠真が縛り付ける。

「はぁはぁはぁ……」

二人の荒い息遣いが、部屋に響く。

「好きだよ、優香……」

「……私も、好き……」

静寂の中、ふたりの吐息だけが優しく溶け合っていった。
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