亡国の騎士は勝気な皇女殿下をご所望です──剣を捧げたその日から、貴女は俺のすべてです
私には、クラウスという侍従がいた。
幼い頃から仕えてくれている、口うるさいが忠義深い男だ。
「クラウス。持ってきたか?」
「……はあ」
彼は、ため息混じりに一本の剣を私に差し出す。
「まさか、ただの練習に本物の剣をご所望とは。万一のことがあれば――」
「つべこべ言うな。いくぞ。」
私は遮るように言い捨て、剣を抜いた。
その音に夜がピンと張り詰める。
夜闇に紛れて、私は男装する。
動きやすい軽鎧を纏い、髪は高く結って首元を隠した。
女ではない。ただ、一人の戦士として剣を握る。
「では……参りますよ、皇太子殿下。」
クラウスが構えた瞬間、私はすでに走り出していた。
――この手で振るう剣だけが、私がこの国を守るという“誓い”を証明してくれる。
金属の音が夜の庭に響いた。
私とクラウスだけの、密やかな戦場だった。
幼い頃から仕えてくれている、口うるさいが忠義深い男だ。
「クラウス。持ってきたか?」
「……はあ」
彼は、ため息混じりに一本の剣を私に差し出す。
「まさか、ただの練習に本物の剣をご所望とは。万一のことがあれば――」
「つべこべ言うな。いくぞ。」
私は遮るように言い捨て、剣を抜いた。
その音に夜がピンと張り詰める。
夜闇に紛れて、私は男装する。
動きやすい軽鎧を纏い、髪は高く結って首元を隠した。
女ではない。ただ、一人の戦士として剣を握る。
「では……参りますよ、皇太子殿下。」
クラウスが構えた瞬間、私はすでに走り出していた。
――この手で振るう剣だけが、私がこの国を守るという“誓い”を証明してくれる。
金属の音が夜の庭に響いた。
私とクラウスだけの、密やかな戦場だった。


