宵にかくして



とくに同じクラスの不和くんは、あの昼休みの後も教室で何度か見かけた。


ずっとクラスメイトの注目を浴びていた不和くん、……先生に当てられた時の立ち振る舞いも丁寧で、休み時間のたびに女の子の人だかりができていたけど、やんわりとした笑顔でやさしく対応していたのを覚えている。


……そんな不和くんだから、しっかりと誠実に対応すれば、もしかしたら誤解を解けるかも、なんて。



「(だ、めだ、ぜったいに警戒されている……!)」



……だって、廊下の照明を背にしてこちらを見下ろす眼差しがあまりにも冷ややかで、鋭い。


教室での穏やかな笑みとは程遠い、ひやりとした氷点下の冷気を放っている不和くんが、ねえ、と煩わしそうに目を細めるので、あわてて口を開いた。


 
「っ、ちがうんです、あの、」

「違うって何が?早くおれの質問に答えて」
 

 
不和くんの畳みかけるようなセリフに、ぎゅ、と唇を噛みしめる。


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