宵にかくして
この学園の番人である"桜蕾"、……ルールの外側を取扱う彼らの眼を、私は少し甘く見ていたらしい。
『外野が何を騒ごうが関係ない。この学園のルールも寮の秩序も、全てが俺たちの管轄内だ』
「(宵宮さんの言葉通りだ……)」
彼らは、桜蕾は学園のセキュリティシステムさえも掌の上で、……取り巻くあらゆる情報をも掌握する、絶対的な支配者なのだと、今初めて実感してしまう。
表向きの校則が及ばない"裏の世界"において、この学園の番人である彼らの眼から逃れられる場所なんて、校内には存在しないのだろう。
「……ねー、スバル、声おっきい……」
ふあ、と気だるげなあくびを溢した吉良くんは、不和くんの肩にもたれかかるように体重をかける。すぐに眉をひそめた不和くんが重い、と一掃して、……不意に、吉良くんの伏し目がちな瞳に捕えられて、視線がぱちりと重なった。