宵にかくして



「……ん、誰このチビ」

「さっきからおれが聞いてる」

「(ち、チビ……?!)」


し、身長は平均よりも高い方なのに……?
すらりとした長い手足に小さな顔、……本職のモデルの方がいるのも納得なスタイルの良さを兼ね備えた彼らからしたら、私なんて小さく見えるんだろうな。



「てか、あんた、桜くんのストーカー?」

「いや、わ、……お、れは、そういうものじゃなくて……!」



わ、忘れてたっ……いま私は男装をしていて、男の子のふりをしなくてはいけいのだ。


変装→男装(そして最終的に見つかってしまった)しているこの状況で、どう振る舞うのが最適解なのか分からなくて、困ってしまう。


不和くんの反応からして、転校生でクラスメイトの蒼唯咲菜だとは気づかれていないはず。……直接話したこともないし、私という存在を認識すらしていないのかもしれないけど、その状況が今はかえって好都合で。




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