宵にかくして



宵宮さんが来てくれた……って。
ゆるんでいく気持ちに誘われるまま、無意識に宵宮さんのブレザーの裾をぎゅっと掴んでしまっていることに気づくのは、もう少し先のことだったけど。


「紹介が遅れた。……昨日からウォーデンの寮生になることになった、俺の遠い親戚の"サナ"」

「……は?」

「、親戚?」


不和くんと吉良くんのセリフがが重なって、……かく言う私も、えっ、と声が漏れそうになるのをぐっと抑えて、おそるおそる宵宮さんを見上げた。
 



「(し、親戚……?!)」



苦し紛れの設定にどくどくと心臓が早鐘を打つけど、……今の状況を切り抜けるには、宵宮さんの話に合わせるしかない。
 



「場所を変えるぞ。
……つーか、お前らのせいで紅茶冷めたんだけど」


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