宵にかくして



🌙
 

そうして案内されたのは、幹部たちが共有で使用しているという、広々としたラウンジスペースだった。



革張りの大きなソファーに、海外製と思われるたくさんの家電、……まるでホテルのロビーのような空間に、場違いな私がぽつんと一人座っている。


隣には宵宮さん、向かい側には不和くんと吉良くん。

そして……─────。

 

「ただいま〜、ん、あれ、なんか空気重くない?」


「……なんだ、会議か?」



ガチャリと扉の開いた音のあと、聞こえてくるのはふたり分の足音。


あまやかなテノールと、語尾が微かに掠れるハスキーボイス、……それらに誘われるように顔を上げれば、は、と心臓が止まってしまったような感覚のあと、ばくんっと大きく心臓が跳ねる。



「(な、なぎ兄とかや兄だ〜……?!)」
 

……ふたりに会いたい気持ちが引き寄せてるとしか思えない遭遇頻度に、頭を抱えてしまう。


不和くんたちに見つかってしまった時からこうなることは想像していたけど、その時が来るのがあまりにも早い……!



< 106 / 142 >

この作品をシェア

pagetop