宵にかくして
そのままおそるおそる足を進めると、ガラステーブルに置かれた一通の封筒に気づく。そっと手に取ると、白い封筒には丁寧な発声で"蒼唯咲菜様"と書かれていた。
「秋栄さんから、……?」
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改めて、秋霜学園へようこそ。
この部屋は、君が新しい学園生活を快適に進められるように特別に用意させてもらったよ。君の学園生活が素晴らしいものになりますように。
PS:私からの3つの“特別な計らい"、喜んでもらえただろうか?
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……3つ?
1つ目はこのお部屋だとして、……あとふたつも?
そもそも身の丈に合わないお部屋に住まわせてもらうなんて申し訳ないし、……こんなに豪華なお部屋、とても目立ってしまうのでは……?!
あらためて振り返ってみると、この寮の周りだけ極端に人通りが少なかった気がする。中高と男女で別れている寮にはたくさんの生徒が住んでいるはずなのに、ここ含め"ふたつ"の建物の周りだけ静かで、他とは全く雰囲気が異なっていた。