宵にかくして
「大丈夫?」
「……?」
「あいつらもここ住んでる。3階」
「っ、ええ……?!」
思わず裏返った声を出してしまい、慌ててはっと口を押さえる。
宗英さんの"特別な計らい"って、なぎ兄とかや兄と同じ寮に住むことだったの……?!
おそらく宗英さんは、私が編入のことをなぎ兄とかや兄に既に話していると思っていたんだろう。家族だからそう思うのは当たり前で、……宗英さんからの、やさしい気遣いでもあったのだろう。
でも、私は、─────その"当たり前"を裏切ってしまっている。
その事実にちくりと胸が痛む。
「……あいつら以外にもあと2人いる」
「、おんなのこは……?」
「お前だけ」
自己嫌悪からしょんぼりと肩落とす私をさらに追い込むように、続けられたセリフ。
……それって、ぜったいに私ここに住んではだめでは?!
もう何に驚けばいいのか分からなくなってきた。
いちおうの確認のためにぎゅっと頬をつねるけど、……い、痛い……!