恋心はシェアできない
こうやって梓はいつも私を励ましてくれる。それは仕事でもプライベートでも変わらない。なんなら梓は本当に裏表がない誠実な人間だと思う。
「……ありがと」
「焦らすつもりないけど、いつかちゃんと碧生に自分の想い伝えなきゃね。想いは言葉にしなきゃ伝わるモノなにひとつないんだから」
「うん、できたら」
「だめ。やるの」
曖昧に頷いた私を見ながら、梓がふいにはっとした顔をする。
「あ。そう言えばさ、うちの部署の後輩が碧生に告白したって言ってたの思い出した」
「えっ、梓のとこの後輩って、松田さん?」
「そうそう、あの小動物系の小悪魔女子。こんな可愛い私を誰か守って~全開で私嫌いなんだよね」
「ぷっ、そんなはっきり……」
「だって男の前だと頭にうさぎの耳生えてるような子じゃん。嫌い~」
「あはは」
ズバズバと悪口を吐き出しながら梓がペットボトルの水を飲み干す。
「でも正直ああいうタイプってモテるよね。あの守ってあげたいキラキラ女子に告白されて断る人いるのかな?」
「すくなくとも碧生は断ったでしょ」
「なんで?」
「だって松田さんの告白OKしたんなら碧生の性格上、咲希と二人で出かけなくない?」
「それは……確かに……」
宙で考えごとをしようと視線を上に向ければ、梓が私をぎゅっと抱きしめる。
「咲希ー、いけー! 幸せになって」
もう半分寝そうになりながらも私にエールを送る梓に私はクスッと笑った。
「……ありがと」
「焦らすつもりないけど、いつかちゃんと碧生に自分の想い伝えなきゃね。想いは言葉にしなきゃ伝わるモノなにひとつないんだから」
「うん、できたら」
「だめ。やるの」
曖昧に頷いた私を見ながら、梓がふいにはっとした顔をする。
「あ。そう言えばさ、うちの部署の後輩が碧生に告白したって言ってたの思い出した」
「えっ、梓のとこの後輩って、松田さん?」
「そうそう、あの小動物系の小悪魔女子。こんな可愛い私を誰か守って~全開で私嫌いなんだよね」
「ぷっ、そんなはっきり……」
「だって男の前だと頭にうさぎの耳生えてるような子じゃん。嫌い~」
「あはは」
ズバズバと悪口を吐き出しながら梓がペットボトルの水を飲み干す。
「でも正直ああいうタイプってモテるよね。あの守ってあげたいキラキラ女子に告白されて断る人いるのかな?」
「すくなくとも碧生は断ったでしょ」
「なんで?」
「だって松田さんの告白OKしたんなら碧生の性格上、咲希と二人で出かけなくない?」
「それは……確かに……」
宙で考えごとをしようと視線を上に向ければ、梓が私をぎゅっと抱きしめる。
「咲希ー、いけー! 幸せになって」
もう半分寝そうになりながらも私にエールを送る梓に私はクスッと笑った。