恋心はシェアできない
伝えたい想い
そして瞬く間に一週間が経った。
今日は金曜日であり、私にとって勝負とも言える日。
(今日まであっという間……)
(そしてギリギリ……)
今夜は碧生の送別会の日であり、企画の提出締め切り日だ。
部署の人たちは皆、送別会に参加するべく退社しており、事務所には私ひとりだ。
(開始十九時だったよね)
見上げた壁掛け時計はすでに八時半を過ぎている。
(約束の時間まであと三十分)
私は昨晩、一時間迷った末、碧生の個人LINEにメッセージを送った。
──『明日送別会終わったら、時間作って貰えない?』
迷いに迷った末に文面は、結局シンプルになってしまったが、碧生はすぐに返事を返してくれた。
──『俺も話したい』
そして碧生が提案してきたのは『タマコの家』のすぐ近くにある公園だった。『タマコの家』に暮らし始めた頃はよく四人でバトミントンをしたり、お花見をしたりした思い出のある場所だ。
私はキーボードを叩いていた手を止めると、画面をじっと見つめる。隅から隅まで目を通して不備がないか最終チェックをする。
「うん、いいと思う……」
パソコンの画面を見ながら思わず顔がほころんだ。