魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
父の絶叫に近い響きを顔を蹴って黙らせると、ヴェロニカは妖艶な唇を、まるで三日月のように吊り上がらせた。
「さあ、よく聞くがいい……。お前の母マルグリットを殺したのは――まさしくお前自身なのだ! ふっふふ、娘に向けた愛情が、枷となりやつに大きな隙を与えた。ふふ……ははは、こんなにも残酷で愚かな生き物がこの世にいたとはな!」
そして、口調や声質までも変わり始めたヴェロニカ――いや、闇の精霊から語られる当時の己の罪に衝撃を受けた私は、ただ身じろぎもできずに立ち竦んだ。
◆
今から二十年前、ラッフェンハイム帝国は大きく荒廃していたという……。
相次ぐ他国の侵略に、謎の疫病や災害。多くの国民が国を見限り他の国へと流れ……残った者たちも、国がこのまま衰退し、滅んでゆく様を想像せざる得なかったほどに。
――だが、そこに救いの手が差し伸べられた。
それがマルグリットという、ひとりの魔法士の出現だった。
「さあ、よく聞くがいい……。お前の母マルグリットを殺したのは――まさしくお前自身なのだ! ふっふふ、娘に向けた愛情が、枷となりやつに大きな隙を与えた。ふふ……ははは、こんなにも残酷で愚かな生き物がこの世にいたとはな!」
そして、口調や声質までも変わり始めたヴェロニカ――いや、闇の精霊から語られる当時の己の罪に衝撃を受けた私は、ただ身じろぎもできずに立ち竦んだ。
◆
今から二十年前、ラッフェンハイム帝国は大きく荒廃していたという……。
相次ぐ他国の侵略に、謎の疫病や災害。多くの国民が国を見限り他の国へと流れ……残った者たちも、国がこのまま衰退し、滅んでゆく様を想像せざる得なかったほどに。
――だが、そこに救いの手が差し伸べられた。
それがマルグリットという、ひとりの魔法士の出現だった。