魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そこには……あの時見たイヤリングよりもさらに禍々しく光る、赤い三角の石が……。
『ふふふ……つまらない手にかかったものだ。あれはもしもの時に備えて作らせておいた偽物。よもや、私を滅ぼせるような力を持つ者が現れると思ってはいなかったが、精霊どもがなんらかの手出しをすることは分かりきっていたからな。うまく役に立ってくれたよ……そして、貴様らの抵抗もこれで終わる……』
いずれマルグリットのような存在との対決を予期していた闇の精霊は、自らをふたつに分かつことで難を逃れていた。そして、彼女は赤子を宿し力の低下したマルグリットを黒い魔力で包み、呪いを強めていく。
『う……。まさか、これは……』
『そうだ。わざわざお前のために特別に用意してやったのだよ』
かつて敗れた仇への復讐に恍惚とし、ルネの表情が歪む。
『ふふふ……お前自身にかけた呪いであれば、今の状態でもどうとでもなっただろうな。しかし、この呪い――お前と子ども、ふたりを対象に同時にかけられたこれは連動している。どちらかを無理に解除しようとすれば、その隙にもう片方に力が流れ込み、その身体を急速に蝕むようになっているのだ。かといって……なにもしなければ出産まで命は持つまいな』
『ふふふ……つまらない手にかかったものだ。あれはもしもの時に備えて作らせておいた偽物。よもや、私を滅ぼせるような力を持つ者が現れると思ってはいなかったが、精霊どもがなんらかの手出しをすることは分かりきっていたからな。うまく役に立ってくれたよ……そして、貴様らの抵抗もこれで終わる……』
いずれマルグリットのような存在との対決を予期していた闇の精霊は、自らをふたつに分かつことで難を逃れていた。そして、彼女は赤子を宿し力の低下したマルグリットを黒い魔力で包み、呪いを強めていく。
『う……。まさか、これは……』
『そうだ。わざわざお前のために特別に用意してやったのだよ』
かつて敗れた仇への復讐に恍惚とし、ルネの表情が歪む。
『ふふふ……お前自身にかけた呪いであれば、今の状態でもどうとでもなっただろうな。しかし、この呪い――お前と子ども、ふたりを対象に同時にかけられたこれは連動している。どちらかを無理に解除しようとすれば、その隙にもう片方に力が流れ込み、その身体を急速に蝕むようになっているのだ。かといって……なにもしなければ出産まで命は持つまいな』