魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『……いつか、きっと出会えるわ。あなたを、好きになってくれる人たちに』
刻一刻と、身体から魔力が絞り出され、自分の身体から呪いへの抵抗力が失っていく。それでも……我が子の未来に待つはずの希望を見据えると、構わずに彼女は作業を続けていった……。
そして―――――。
ひと月も経たないうちに、帝国を大きな訃報が駆け巡った。
国を救った賢者は帰らぬ人となり、多くの国民がその死を悼み、嘆いた。
そして、その命と引き換えに、ひとりの娘が誕生する――……。
真実を知ってしまった私は、その場にがくりと膝を落とした。
「それじゃあ、本当に私のせいで、お母さんは……」
「バカな女だろう? 赤子など捨て置き己の命を優先していれば、あの後私を消し去り再び夫と幸せな家庭を築くことも可能だっただろうに」
「貴……様、許さんぞ! 妻を、マルグリットを愚弄することは……!」
刻一刻と、身体から魔力が絞り出され、自分の身体から呪いへの抵抗力が失っていく。それでも……我が子の未来に待つはずの希望を見据えると、構わずに彼女は作業を続けていった……。
そして―――――。
ひと月も経たないうちに、帝国を大きな訃報が駆け巡った。
国を救った賢者は帰らぬ人となり、多くの国民がその死を悼み、嘆いた。
そして、その命と引き換えに、ひとりの娘が誕生する――……。
真実を知ってしまった私は、その場にがくりと膝を落とした。
「それじゃあ、本当に私のせいで、お母さんは……」
「バカな女だろう? 赤子など捨て置き己の命を優先していれば、あの後私を消し去り再び夫と幸せな家庭を築くことも可能だっただろうに」
「貴……様、許さんぞ! 妻を、マルグリットを愚弄することは……!」