魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
6.砦上の景色 -decisive-
開戦から数日後。
国境線に築かれた長い城塞の中央部……その屋上にて、俺は昇る朝日を見つめながら、本日の戦いの戦略を練っていた。
遠く向こうの大地では、少しずつ敵軍の兵士が黄色い旗を立てて陣形を作り始め、こちらに攻め寄せる準備を行っている。もう少しして完全に日が昇り切れば、今日もまた激しい戦いの火蓋が切って落とされることとなるだろう。
この城塞も、帝国にある名だたる街と同じように魔法による結界が張られていて――矢や低級の魔法程度なら通すことはない。比較的魔法士の数が少なく、兵器や武器による直接攻撃を得意とするベルージ王国だが、ここぞという時には集中して大規模な魔法を仕掛け、こちらの防御を破ってくるだろう。
なお、それ以前に、敵軍が目の前まで進んで来れば防御結界も効果を失う。
発動者や魔道具などを中心として、通常半球状に形成される結界魔法だが、それは相手による攻撃を別としても、戦に置いて必ずしも安全を保障するものではない。
なぜなら、それは相手も結界魔法を使用してくるからだ。
双方が防御に使用した結界魔法は、敵軍がこちらとの距離を詰めるほどに近づき……そして最終的に互いに接触することになる。
国境線に築かれた長い城塞の中央部……その屋上にて、俺は昇る朝日を見つめながら、本日の戦いの戦略を練っていた。
遠く向こうの大地では、少しずつ敵軍の兵士が黄色い旗を立てて陣形を作り始め、こちらに攻め寄せる準備を行っている。もう少しして完全に日が昇り切れば、今日もまた激しい戦いの火蓋が切って落とされることとなるだろう。
この城塞も、帝国にある名だたる街と同じように魔法による結界が張られていて――矢や低級の魔法程度なら通すことはない。比較的魔法士の数が少なく、兵器や武器による直接攻撃を得意とするベルージ王国だが、ここぞという時には集中して大規模な魔法を仕掛け、こちらの防御を破ってくるだろう。
なお、それ以前に、敵軍が目の前まで進んで来れば防御結界も効果を失う。
発動者や魔道具などを中心として、通常半球状に形成される結界魔法だが、それは相手による攻撃を別としても、戦に置いて必ずしも安全を保障するものではない。
なぜなら、それは相手も結界魔法を使用してくるからだ。
双方が防御に使用した結界魔法は、敵軍がこちらとの距離を詰めるほどに近づき……そして最終的に互いに接触することになる。