魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「お前ら、なんとか持ちこたえろ! この影響は長くは続かない! 散布された魔石は次第に風下のあちら側に流れていくはずだ! 必死に防御を固めて耐え凌げっ!」
せっかく敵軍本陣に近づいたが、これでは一旦後退はやむを得ない。ベルージ王国側に吹き込む風の力を借りれば、半時もすれば魔法士たちももとの照準精度を取り戻すはず。
仕切り直しとなるが仕方がない……せっかく開いた血路を目の前にしながら、俺が兵士たちに後方転身の命令を下そうとした時だった。
「――逃がさぬぞ! アルフリードの忘れ形見!」
後ろから、歓喜とも怒りともつかない声が貫き、同時に俺は信じられないものを見つめる。
敵軍後方の部隊が左右に別れ、その中を突き進んでくる目にも鮮やかな黄金色の鎧の部隊。それはほとんどが女性で構成されていながら、他の兵たちより圧倒的に格上なのは明らかだった。
そしてその先頭で馬を駆る、異質な体格の大女。あれは、まさしく――。
「……まさか、あんたの方からこちらに仕掛けてくるとはな――ベルージ女王!」
せっかく敵軍本陣に近づいたが、これでは一旦後退はやむを得ない。ベルージ王国側に吹き込む風の力を借りれば、半時もすれば魔法士たちももとの照準精度を取り戻すはず。
仕切り直しとなるが仕方がない……せっかく開いた血路を目の前にしながら、俺が兵士たちに後方転身の命令を下そうとした時だった。
「――逃がさぬぞ! アルフリードの忘れ形見!」
後ろから、歓喜とも怒りともつかない声が貫き、同時に俺は信じられないものを見つめる。
敵軍後方の部隊が左右に別れ、その中を突き進んでくる目にも鮮やかな黄金色の鎧の部隊。それはほとんどが女性で構成されていながら、他の兵たちより圧倒的に格上なのは明らかだった。
そしてその先頭で馬を駆る、異質な体格の大女。あれは、まさしく――。
「……まさか、あんたの方からこちらに仕掛けてくるとはな――ベルージ女王!」