魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 敵国の総大将であるベルージ王国の女王、コルネリアス本人。

「はははは、そちらこそだ! てっきり亀のように引きこもるかと思いきや、まさか余の王国相手に総大将自ら打って出るとはな! まずはその勇猛さを賞賛してやろう!」

 彼女の遠くからでも鼓膜をびりびりと震わせる大声に、兵士のほとんどが怯む。
 やがて女王を先頭にした部隊は雷光のように突き進み、俺率いる第一群の精鋭部隊と接触するが――。

「スレイバート様、一旦退却を! ぐあぁっ!」
「こ、この化け物め……ここで止め――あぐっ……」

 彼女を止めるどころか、その巨大な鋼剣の周囲にすら入れず斬り倒されてゆく。恐ろしい魔力が、鍛え上げられた肉体の性能を限界まで引き出している……!

「く……そぉぉぉぉっ!」

 まるでそれ自身が刃であるかのように、勢いのままに女王の部隊は自軍を真っ二つに切り裂いた。このまま退いては、ボースウィン領軍は崩壊する。そう確信した俺は、両手に集めた魔力で氷の剣を象ると――
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