魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 この上なくシンプルな応答。

 その後に馬の腹を蹴って、突き動かされた俺の剣が真っ直ぐに女王に迫る――。
 鋼と氷がぶつかり、耳を貫く高音が響いた。

「く、ううっ……!」

 俺はその衝撃に、吹き飛びそうになりながらもなんとか剣を合わせ続ける。ここだけは、退けない。

「ハアアァァッ!」

 しかし尋常ではない女王の余力が、俺を押し潰すかのように籠められ、わずかずつ、こちらの身体に刃が近づいて来る。

「そんな、程度で……アルフリードの代わりが務まると思うな!」

 憤怒の表情で、鋼剣を押し込む女王の顔が迫る。
 本当に、化け物みたいな力だ。氷の剣も、先程から魔力を使ってなんとか補修しているが、それすら間に合わず削られ、ひび割れていく。
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