魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「もしかしたら、あんたとならいつか、手を取り合うための一歩を踏み出せるんじゃないのかってな……」
そして俺は――女王へ手を差し出した。
「俺は……親父を認めてくれたあんたと、もう殺し合いはしたくない。あんたは、どうだ」
そのまま、じっと待つ。女王の後ろでも色々と動きがあり、声高に議論が交わされ、早く彼女を下げるべきだという声もあった。だが、騙し討ちするくらいなら決着のついた後にすで首を刎ねている。それくらいは相手も分かっていて、こちらの真意を量りかねているようだった。
そして、当の女王の巨躯が、ひらりと馬上から降りた。
人間離れした体格を軽やかに進ませると、彼女は俺の目の前に立つ。目線の位置は、わずかに俺が低いくらいか。
そして、鍛え上げられた強い手が、俺の手のひらをしっかりと握った。偉大な女王の次の発言が、後ろに控えていた側近たちの目を飛び出させる。
「――完敗だ。少なくともお前は、アルフリードにできなかったことを、やって見せた」
「はは……それでもまだ、親父に追いついたって気はあんまりしてねえけどな」
そして俺は――女王へ手を差し出した。
「俺は……親父を認めてくれたあんたと、もう殺し合いはしたくない。あんたは、どうだ」
そのまま、じっと待つ。女王の後ろでも色々と動きがあり、声高に議論が交わされ、早く彼女を下げるべきだという声もあった。だが、騙し討ちするくらいなら決着のついた後にすで首を刎ねている。それくらいは相手も分かっていて、こちらの真意を量りかねているようだった。
そして、当の女王の巨躯が、ひらりと馬上から降りた。
人間離れした体格を軽やかに進ませると、彼女は俺の目の前に立つ。目線の位置は、わずかに俺が低いくらいか。
そして、鍛え上げられた強い手が、俺の手のひらをしっかりと握った。偉大な女王の次の発言が、後ろに控えていた側近たちの目を飛び出させる。
「――完敗だ。少なくともお前は、アルフリードにできなかったことを、やって見せた」
「はは……それでもまだ、親父に追いついたって気はあんまりしてねえけどな」