魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
俺がその称賛に頬を掻くと、彼女はふっと顔から力を抜く。
「当たり前だ。今回はたまたまだと思え。完全にお前があの人超えるには、まだしばらくの時間と、研鑽が必要だろう……しかし、いずれは」
そこで言い淀むと、ベルージ女王は手を離し、俺に背を向けた。
「今後、少なくとも余の代ではベルージ王国をそちらに攻め入らせないと約束する。今回の侵攻に伴う賠償金も用意するつもりだ。改めて交渉の場を用意し、それを契機としてベルージ王国は、貴国と新たなる関係を結べるよう努力していこう」
それだけ言うと、女王は颯爽と馬に跨り、こちらを一瞥しただけで去っていこうとした。まるで、慣れ合う資格は自分にはない、というかのように。だが――。
「ありがとな。ベルージ女王コルネリアス」
俺は、後ろから彼女の名前を初めて呼んだ。そして、向こうからも……。
「ふっ……スレイバート。いずれまた」
小さいが、はっきりと再会を約束する言葉が告げられ……。
「当たり前だ。今回はたまたまだと思え。完全にお前があの人超えるには、まだしばらくの時間と、研鑽が必要だろう……しかし、いずれは」
そこで言い淀むと、ベルージ女王は手を離し、俺に背を向けた。
「今後、少なくとも余の代ではベルージ王国をそちらに攻め入らせないと約束する。今回の侵攻に伴う賠償金も用意するつもりだ。改めて交渉の場を用意し、それを契機としてベルージ王国は、貴国と新たなる関係を結べるよう努力していこう」
それだけ言うと、女王は颯爽と馬に跨り、こちらを一瞥しただけで去っていこうとした。まるで、慣れ合う資格は自分にはない、というかのように。だが――。
「ありがとな。ベルージ女王コルネリアス」
俺は、後ろから彼女の名前を初めて呼んだ。そして、向こうからも……。
「ふっ……スレイバート。いずれまた」
小さいが、はっきりと再会を約束する言葉が告げられ……。