魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
9.掴むべき未来のために -our hometown-
「どういう状況だ、報告しろ!」
激戦の疲れも癒えぬまま、砦へと引き返した俺たちは、忙しく甲冑を鳴らしながら屋上へと駆け上がった。すると――。
「ご、ご覧ください! かなりの数の帝国軍がこちらに向かってきています! 戦の終了については先程通達したのですが、進軍速度は下がらず……すでに戦闘態勢に入っている模様!」
「そ、それに……部隊は兵士だけではありません!」
悲鳴を上げる監視兵たちの隣で俺もそれを見つけて目を見張った。
「……どうなってやがんだ」
ありえないことだった。
この砦に駐在している兵士たちと同規模の部隊を中心に向かってくるのは……明らかに、魔物の群れ――!
恐ろしい敵意に爛々と目を光らせた獣たちが、俺たちを貪ろうと涎を垂らし、地響きを立てて突っ込んでくる。
「なぜ……魔物があのような組織だった動きを。それに、どうして帝国軍はあれらと行動をともにしていて平気なのだ!? いったい、なにが起きておる……」
激戦の疲れも癒えぬまま、砦へと引き返した俺たちは、忙しく甲冑を鳴らしながら屋上へと駆け上がった。すると――。
「ご、ご覧ください! かなりの数の帝国軍がこちらに向かってきています! 戦の終了については先程通達したのですが、進軍速度は下がらず……すでに戦闘態勢に入っている模様!」
「そ、それに……部隊は兵士だけではありません!」
悲鳴を上げる監視兵たちの隣で俺もそれを見つけて目を見張った。
「……どうなってやがんだ」
ありえないことだった。
この砦に駐在している兵士たちと同規模の部隊を中心に向かってくるのは……明らかに、魔物の群れ――!
恐ろしい敵意に爛々と目を光らせた獣たちが、俺たちを貪ろうと涎を垂らし、地響きを立てて突っ込んでくる。
「なぜ……魔物があのような組織だった動きを。それに、どうして帝国軍はあれらと行動をともにしていて平気なのだ!? いったい、なにが起きておる……」